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有形文化財「岡御殿」で江戸時代の暮らしに触れる


今回訪れたのは、江戸時代に栄えた豪商・岡家のお屋敷、岡御殿。
岡家は馬路村の魚梁瀬杉を中心とする材木業、回船業、質屋、地主、酒造業、両替商などさまざまな商売をして土佐藩主に御用金を納め、名字帯刀、御目見、独礼御目見(どくれいおめみえ)の特権を許されていました。

ここで18年間ガイドを勤めているのは、松本恵子さん。
徒歩2分のところに住んでいるという、地域のことをよく知る女性です。

岡御殿は参勤交代の際にお殿様が立ち寄り小休憩をした場所。
築175年の歴史ある日本建築で、昭和60年に岡家から田野町に寄贈され、県の有形文化財に指定されました。
岡家茶の間、家来たちの控えの間、次の間の奥にある、一段高くなっている「上段の間」が殿様の部屋。
「重厚感のある書院造りで、下から刀が通らないよう床板が厚くなっているんですよ」と松本さん。
ここでは、ふかふかの座布団に座ってお殿様気分を味わうこともできます。


お客様に青龍の見え方を説明する松本さん

岡御殿の庭は風水によるもので、東庭は5本のウバメガシが青龍を象っているのだそう。
「ここが頭で、口を大きく開けているでしょう?あの隅にあるのが尾っぽ」と熱心に説明してくれます。
手入れの行き届いた庭は、四季折々に異なる美しさで訪れる人の目を楽しませてくれます。

「ほら、障子が額縁のようになっていて、庭の風景を切り取っているでしょう?四季折々に、本当にきれいなんです。障子に映る松の枝や南天の木が揺れる影も美しくて、ここではゆっくりとくつろいでいただきたいです」と、施設見学というよりも、いつもと違う時間の流れを楽しんでほしいと話す松本さん。

「歴史が大好きというわけではなかったけど、ここで働くようになって歴史にも古い建築にも興味がわくようになって」と、自然と本やテレビ番組も関連するものに目がいくようになったという松本さん。
「この軒見てください!扇垂木というて、垂木が扇子状に広がっているんです」と教えてくれました。
先人の美的センスと確かな技術が息づいています。

「屋根もすごいがよ」と言われて外に出てみると、初めて見る杮葺き(こけらぶき)の屋根。
杉、檜、サワラのごく薄い板材を何枚も重ねて葺いた木造の屋根。
職人の手仕事が美しい曲線を描いています。どっしりと風格ある佇まいの御殿は、細部にも見どころいっぱい。松本さんのガイドがあれば見残しもありません。

遠方から来てくださったお客様にお茶を出し、よもやま話をするのが松本さんの一番の楽しみ。
いろんなところから、いろんな職業の人がやってきます。江戸時代の暮らしに触れ、お殿様の旅に思いを馳せつつ、「友達の家に遊びに来たみたい」と言ってもらえることが何よりの喜びです。
縁側から青い空に浮かぶ雲や白鷺が旋回する様子、空が夕焼けに染まっていく様子を眺めるお客様。
岡御殿がつなぐご縁をうれしく感じるひとときです。


岡御殿では、地域の人にもその魅力を知ってほしいとさまざまなイベントを行っていて、「おはなし会」もその一つ。岡御殿を管理する田野町教育委員会が主催するもので、かぐや姫や浦島太郎などの昔話や紙芝居、かるたや福笑いなどの昔遊びも楽しんでいます。

2017年からは幕末維新博の冬のイベントとして「四国一小さな町の田野ゆらめき回廊~岡灯り~」を開催。
行灯とキャンドルライトを使ってやさしい光でライトアップし、多くの人が闇に浮かび上がる岡御殿の美しさに酔いしれました。

有形文化財のため、火気厳禁。常時開けっぱなしで、冬は寒さに耐えながらのお仕事ですが、それでも自分の家以上に愛着があるという松本さんから、このブログをご覧のみなさまへメッセージをいただきました。

「幕末維新博でさまざまなイベントや企画展を催す中で、たくさんの人に岡御殿を知っていただき、来ていただくことができました。これからも江戸時代の豪商の様子を伝えるとともに、いい時間を過ごせる場所になるよう頑張っていきたいと思います。来られたことがある方も、初めての方も、どうぞごゆっくりお出かけください!」


問い合わせ

岡御殿

住所/高知県安芸郡田野町2147-1
電話番号/0887-38-3385
開館時間/9:00~16:30
休館日/火曜日(祝祭日の場合はその翌日)、年末年始(12月28日~1月2日)
入場料/大人 500円、中高生 300円
     ※団体(20名以上) 大人300円、中高生200円

※掲載されている情報は2019年1月現在のものです。



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