四国八十八ヶ所霊場のひとつであり、約 1300 年の歴史を誇るお寺です。

高知駅からは車で約 20 分、1 時間に 1 便運行している周遊バスを利用すると 30 分で行くことができます。
その深い歴史とアクセスの良さから、最近では国内だけでなく欧米を中心とした海外の観光客も多いそう。
そんな竹林寺でできる体験が、お経を紙に書き写す「写経」。
「写経」ってなんだろう?何か決まりはあるの?どんな意味があるの?
写経についての知識がない初心者でも手軽に体験できると聞いて、早速行ってみました!

写経体験ができるのは、敷地内にある「書院」。
江戸時代後期の建物で、もともと土佐藩主が竹林寺を参拝するための接待所として建てられました。

建物の中から美しい庭園を臨みながら、いざ!体験スタート!
今回は初心者ということもあり、僧侶の方に写経の歴史から説明していただくことに。

お経は、仏様の教えを表したもの。
そのお経を「唱えること・聞くこと・書くこと」は、仏教の教えを知るためにとても大事なことなのだそうです。
写経はもともとお坊さんがお経を覚える修行のひとつであり、仏教の教えを広めるための手段でもありました。
江戸時代、読み書きができる人が増えるにつれて写経は広く一般に普及し、現代まで多くの人々の心のよりどころとして親しまれています。
今回チャレンジする写経は、「七佛通誡偈(しちぶつつうかいげ)」と「十善戒(じゅうぜんかい)」と呼ばれているもの。

簡単に説明すると「七佛通誡偈」は、「悪いことはしない」や「良い行いをする」など、仏教の根幹となる教えを表したもの。
「十善戒」は「故意に生き物を殺さない」「嘘をつかない」など、仏教の教えを守り行動するための規範のようなもの。
どちらも文字数が少なく、内容もシンプル。
お手本を見ながら書くも良し、白紙を重ねてお手本をなぞっても良し。
ちなみにこちらの白紙、高知ならではの土佐和紙を使用しています。

一文字一文字、無心でお手本をなぞっていく作業はとっても新鮮。
普段パソコンやスマホをたくさん使うせいか「書く」という行為から少し遠ざかっていたことに気づかされました。
日常生活ではなかなか味わうことのできない体験を通して、感じたり気づいたりすることは人それぞれ。
「竹林寺という場所での体験を通して、言葉にできないものを感じ取ってもらえたら」
という僧侶の方の言葉が印象的でした。
写経が終わった後は、庭園を見学。

鎌倉時代後期に作庭されたといわれており、高知県三名園のひとつに数えられています。
木々や庭石の配置、庭内に作られた池にも意味が込められているそう。

先ほど写経体験を行った場所は藩主が座っていたそうで、その位置から眺める景色は格別。

書院の入り口には白梅が咲いていました。
春には美しい緑が、秋には鮮やかな紅葉が楽しめます。
さて、最後は僧侶の方と写経を「本堂(文殊堂)」に納めに行きます。

文殊菩薩をご本尊とするお寺は、八十八か所の中で竹林寺が唯一だそうです。
本堂の内部まで入ってお参りさせていただくという、貴重な経験ができました!

仏式のお参りの作法など、普段なかなか聞けないことも教えてもらいました。
竹林寺内には今回ご紹介した以外にも、見どころがたくさん。
立派な五重塔に弘法大師空海を祀る大師堂・・・

かつて竹林寺にたくさんいた鹿を祀った像や

古くから竹林寺に伝わる仏像などを保管する「宝物館」には、なんと高知県の重要文化財の三分の一が収蔵されています。

今回は本堂だけでしたが、滞在時間にあわせてお寺の見どころを案内していただけるそう。
事前に滞在時間の目安や気になるスポットを電話で伝えておくのがおすすめです!
老若男女を問わず体験でき、日本の文化を体感できる「写経体験」。
僧侶の方の楽しいお話と素敵なおもてなし、歴史あるお寺や周囲の美しい自然に癒されたひとときでした。
気になった方はぜひ、問い合わせてみてくださいね!
竹林寺
参拝時間:08:00~17:00
名勝庭園・宝物館:08:30~17:00
所在地:高知県高知市五台山 3577 番地 竹林寺
所要時間:1 時間 30 分~
問合せ先:竹林寺 088-882-3085
公式 HP:http://www.chikurinji.com/
※竹林寺で行事等がある場合、日程や時間のご希望に添えない場合がございます。